「フィリピン 気温50度」と聞くと、にわかには信じがたいかもしれません。
しかし、2024年には実際に体感温度が50度を超える地域が現れ、多くの人々が生活や健康に大きな影響を受けています。
これは一時的な異常気象ではなく、地球温暖化の影響が背景にあると指摘されています。
この記事では、フィリピンで記録された過去最高気温の事例を紹介しながら、気温の年間変動や地域ごとの違いを解説します。
また、旅行や滞在を考えている方に向けて、避けるべき時期やおすすめの季節についても丁寧にまとめました。
気候の実態を知り、安心して計画を立てるための参考にしてください。

- フィリピンで体感気温50度に至る背景と原因
- 地球温暖化の影響がフィリピンの気候に与える影響
- 年間の気温推移と都市ごとの気候の違い
- 観光や滞在で避けるべき時期とその理由
「フィリピン 気温50度」は本当?
フィリピンの過去最高気温とは
フィリピンでは近年、体感温度が50度を超える異常な高温が観測されています。
2024年4月にはミンダナオ島ダバオ市で、日なたの気温が50度に達しました。
またルソン島、ザンバレス州イバ町(Iba, Zambales)で体感温度(ヒートインデックス)が53℃に達し、
2024年に国内で記録された中で最も高い値となりました。これは同国の気象観測史上でも極めて異例の数値です。
このような高温の背景には、エルニーニョ現象や湿度の上昇といった複数の気象要因が関係しています。
また、都市部ではコンクリートが熱を蓄積しやすいため、実際の気温よりも高く感じる傾向があります。
歴史を振り返ると、フィリピン国内では過去にも40度を超える記録が何度か確認されています。
こうした極端な暑さは、学校の休校、交通機関の混乱、電力需要のひっ迫など、さまざまな分野に影響を及ぼしています。
今後は気温のさらなる上昇が予想されており、社会全体での長期的な対策がますます重要になると考えられています。
実際に会社や学校はどうなるの?
フィリピン政府は以下のような対策を講じました:
- 労働省(DOLE)は、企業に対して在宅勤務や柔軟な労働時間の導入を推奨。
- 教育省(DepEd)は、4月29日と30日に公立学校の対面授業を中止し、オンライン授業への切り替えを実施。
- 多くの住民がショッピングモールやリゾート施設など、冷房の効いた場所での避暑を求めて訪れる傾向が見られました。
PAGASAは、5月中旬まで高温が続く可能性があると警告しており、
特に高齢者や子ども、持病を持つ人々に対しては、十分な水分補給や涼しい場所での休息を呼びかけています。
実際に2024年4月に私自身も滞在していたのですが、マニラ市内は40度を超えて学校が休校(オンライン)に
変更になったという話題もフィリピン人から聞きました。
地球温暖化の影響と気温上昇の関係

気温上昇の背景には、地球温暖化が深く関わっています。
温室効果ガスの増加により、地球全体の気温がじわじわと上がっている状態です。
とくにフィリピンのような熱帯地域では、この気温上昇が生活や経済に深刻な影響をもたらします。
高温と湿度が重なることで、健康リスクや作物へのダメージが拡大する恐れも否定できません。
さらに、気象の極端化が進むことで、洪水や干ばつなどの災害リスクが増えると考えられています。
そのため、現地では気候変動に対する適応策の整備が急務とされています。
日本との気候の違いを比較
フィリピンと日本の気候は、根本的に異なる性質を持っています。
フィリピンは熱帯モンスーン気候に属し、年間を通じて高温多湿です。
一方、日本は四季のある温帯気候にあり、年間の寒暖差が大きいのが特徴です。
フィリピンでは、乾季と雨季を基本とした季節区分が採用されており、11月から2月の「涼季」がもっとも過ごしやすいとされています。
日本のような春夏秋冬のサイクルとは異なり、気温の変動は比較的穏やかです。
また、日本の冬は氷点下まで気温が下がる地域もありますが、フィリピンでは気温が20度を下回ることはまれです。
こうした違いから、日常の過ごし方や衣類の選び方などにも工夫が必要になります。
フィリピンと日本の気候の比較表

項目 | フィリピン | 日本 |
---|---|---|
気候区分 | 熱帯モンスーン気候 | 温帯湿潤気候(一部は亜寒帯) |
季節の分類 | 乾季・雨季(または涼季を含めた3区分) | 春・夏・秋・冬の4季 |
年間平均気温 | 約26~27℃ | 約12~16℃(地域差あり) |
気温の変動幅 | 小さい | 大きい(夏は猛暑、冬は氷点下も) |
冬の気温 | 20℃を下回ることはまれ | -5℃を下回る地域も存在 |
降水パターン | 雨季に集中して降る | 年間を通じて比較的バランスが取れている |
年間の気温と季節の特徴
フィリピンの気候は、年間を通じて高温で湿度が高いのが特徴です。
平均気温は約26〜27度と安定しており、寒暖差はあまり大きくありません。
季節は大きく分けて3つあり、3月〜5月が暑季(乾季)、6月〜10月が雨季、11月〜2月が涼季とされています。
暑季には日中35度近くまで上がることもあり、熱中症対策が欠かせません。
雨季に入ると気温はやや下がりますが、湿度が高いため体感的には蒸し暑く感じます。
涼季は朝晩が過ごしやすく、旅行に適したタイミングといえるでしょう。
以下に、各季節の特徴を表でまとめました。
フィリピンの年間気温と季節の目安
時期 | 季節区分 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 平均湿度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
3月〜5月 | 暑季(乾季) | 約34℃ | 約24℃ | 約65〜70% | 日差しが強く非常に暑い |
6月〜10月 | 雨季 | 約31℃ | 約24℃ | 約80〜85% | 湿度が高く、スコールも頻発 |
11月〜2月 | 涼季 | 約30℃ | 約22℃ | 約75〜80% | 比較的過ごしやすい時期 |
このように、フィリピンでは年間を通して暑さが続きますが、時期ごとの特徴を把握しておくことで、旅行や長期滞在の計画も立てやすくなります。
フィリピン「気温50度」を避けるには?

都市別で異なる気温と湿度
フィリピンは7,000以上の島々からなる国で、地域によって気温や湿度の感じ方が大きく異なります。
特に都市部では、地形・海からの風・標高などが体感気候に影響を与えます。
気温は年間を通して高い傾向がありますが、都市ごとに「暑さの種類」や「湿度の高さ」に違いがあります。
たとえば、沿岸部では風がある分やや涼しく感じる日もあれば、山間部では朝晩が快適なケースも見られます。
以下の表では、主要な都市ごとの気温や湿度の傾向をまとめています。
旅行や滞在の際の参考にしてみてください。
フィリピン主要都市の気温と湿度の比較表
都市名 | 地域 | 年間平均気温 | 年間平均湿度 | 特徴・補足 |
---|---|---|---|---|
マニラ | ルソン島(首都圏) | 約27〜28℃ | 約80% | 都市化が進んでおり、ヒートアイランド現象が起こりやすい |
セブ | ビサヤ諸島 | 約27℃ | 約85% | 雨季の蒸し暑さが顕著。海風の影響で体感はやや和らぐ日もある |
ダバオ | ミンダナオ島 | 約28℃ | 約75〜80% | 比較的安定した気温。標高がややあるため、朝晩は少し涼しい |
タガイタイ | ルソン島南部(高地) | 約22〜24℃ | 約80〜85% | マニラ近郊の人気観光地。高原の気候で過ごしやすく、風も心地よい |
イロイロ | ビサヤ諸島 | 約28℃ | 約80% | フラットな地形で風通しがよく、気温は高めだが過ごしやすい |
サンボアンガ | ミンダナオ島南西部 | 約28〜29℃ | 約78〜82% | 南部の中でも特に暑い地域。日差しが強く、湿度もやや高め |
※フィリピンには他にも高原都市として有名なバギオがありますが、本記事では観光やアクセスのしやすさを考慮し、より身近な避暑地として知られるタガイタイを紹介しています。
行くなら何月がベスト?

フィリピンを訪れるなら、11月から2月の「涼季」がもっとも快適です。
この時期は気温が安定しており、湿度も比較的抑えられているため、観光やアクティビティにも適しています。
とくに12月から1月は天候が穏やかで、降水量も少なく、屋外での行動がしやすくなります。
旧正月やクリスマス、ホーリーウィークといった行事が重なる時期でもあるため、文化体験をしたい人にもおすすめです。
ただし、観光シーズンのため航空券や宿泊費が高騰しやすい点には注意が必要です。
事前の予約やオフシーズンとの価格差を比較して、旅の計画を立てると良いでしょう。
避けるべき時期とその注意点
フィリピンで避けたいのは、3月〜5月の暑季と6月〜10月の雨季です。
特に暑季は、気温が35度を超える日が続き、外出するのも体力を消耗します。
雨季にはスコールが連日発生し、交通の混乱や洪水のリスクが高まります。
さらに、9月〜10月には台風が接近することも多く、予定通りに旅行できない可能性も考えられます。
長期滞在や旅行を検討している場合は、こうしたリスクを踏まえたスケジュール設計が重要です。
キャンセル対応可能な航空券や、旅行保険の加入も忘れずに確認しておきましょう。
なお、暑季と雨季のどちらを避けるべきか迷う方も多いですが、どちらかと言えば雨季のほうが影響は深刻です。
暑季は気温が高くなりますが、天候は比較的安定しており、観光地巡りや移動の自由度は確保しやすい傾向があります。
一方、雨季は突然の大雨や洪水により外出が難しくなったり、フライトや交通機関の遅延・中止が発生するリスクがあるため、計画を立てるうえでは注意が必要です。
まとめ

フィリピンで観測された体感気温50度という異常な暑さは、エルニーニョ現象や都市環境、そして地球温暖化の影響が重なった結果といえます。
今後も高温傾向が続く可能性があり、現地を訪れる際は事前の情報収集が欠かせません。
年間を通して暑いイメージのあるフィリピンですが、季節によって気温や湿度の特徴は異なります。
都市ごとの気候差や、避けるべき時期を知っておくことで、より快適で安全な滞在が実現できるでしょう。
気温情報は単なる数字ではなく、現地での暮らし方や旅の質に直結します。
気候に対する理解を深め、正しい準備をしたうえで、フィリピンの自然や文化を存分に楽しんでください。
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