目次
はじめに、フィリピンはアジアで最大のキリスト教国
フィリピンの宗教・信仰グループ(2020年国勢調査ベース) | 割合(推定) |
---|---|
キリスト教(合計) | 約 91 % |
・キリスト教(カトリック) | 78.8 %(約8,564万人) |
・キリスト教(プロテスタント等) | 約 12.7 %(プロテスタント・Iglesia ni Cristoなど) |
イスラム教 | 6.4 %(約698万人) |
先住民伝統宗教(民間信仰) | 約 2 %(アニティズムなど) |
仏教その他(仏教、ヒンドゥー教、シーク教等) | ごく少数(仏教:約0.04%、計数千人~数万人規模) |
無宗教・非回答 | ごく少数 |
ポイントまとめ
- 総人口の約9割以上がキリスト教徒(内訳:カトリック79%、その他教派12~13%)。
- イスラム教は全国平均で6.4%、主要地域(ミンダナオ南部など)ではさらに高い比率。
- その他伝統宗教:約2%、仏教などはごく少数です。

フィリピンがキリスト教国である理由
1. スペインによる植民地支配(1521年~1898年)
- 1521年、ポルトガル人航海者フェルディナンド・マゼランがスペインの命でフィリピンに到達。
- マゼランと共にキリスト教(カトリック)が伝来。
- その後、スペインによる300年以上の植民地支配を通じて、キリスト教(特にカトリック)が全国に広がる。
2. カトリック教会の教育・医療・行政への浸透
- スペインは教会を通じて、学校・病院・行政を管理。
- 多くのフィリピン人がカトリックに改宗。
- 教会が社会の中心的存在に。
3. アメリカ統治期(1898年~1946年)でのプロテスタントの流入
- スペイン統治後、アメリカが統治権を獲得。
- この時期にプロテスタント(米国式のキリスト教)も一部広がった。
補足:なぜ他の宗教ではなかったのか?
- フィリピンはイスラム教が一部で広まっていたが、スペイン到来前は宗教的に多神教・アニミズム的な文化が主流だった。
- そのため、キリスト教が比較的「受け入れられやすかった」とも言われる。
フィリピンのエリア別の宗教・文化・歴史の特色

🇵🇭 1. ルソン島(特にマニラ)
🗂️ 概要
- フィリピンの政治・経済・文化の中心地。
- 首都マニラを含むメトロマニラ圏(約1300万人)。
- スペイン統治下で最も早く都市化・カトリック化が進んだ地域。
🙏 宗教
- カトリックが圧倒的多数(85%以上)。
- スペイン統治時代の影響で、サント・ニーニョ像やブラックナザレ像への信仰が根強い。
- 近年、プロテスタントや新興宗教(イグレシア・ニ・クリスト、エホバの証人、バプテスト系)も拡大。
🎭 文化
- スペイン植民地時代の教会(サン・アグスティン教会など)、フィエスタ(宗教的なお祭り)が多い。
- 現代ではショッピングモール文化(モール・オブ・アジア、SMメガモールなど)も発展。
🇵🇭 2. セブ(ビサヤ地方)
🗂️ 概要
- フィリピン中部の主要都市。
- 1521年、歴史的にスペイン人が最初に上陸した地(マゼランが最初に上陸し、後にラプ=ラプに討たれた)。
- 海外観光客・ビジネス拠点としても人気。
🙏 宗教
- カトリックが強い。
- 特に「サント・ニーニョ・デ・セブ(セブの幼子イエス像)」への信仰が非常に深い。
- 毎年1月のシヌログ祭り(Sinulog Festival)は国内最大級のお祭りの一つ。
- プロテスタント、イグレシア・ニ・クリスト、エホバの証人なども一定数存在。
🎭 文化
- ビサヤ語圏で、陽気な音楽(ビサヤポップス)や民謡が豊富。
- 海産物・伝統工芸(ギター、帽子、家具)も盛ん。
🇵🇭 3. ダバオ(ミンダナオ地方)
🗂️ 概要
- ミンダナオ最大の都市。
- フィリピンで治安が良い都市の一つとされる(ドゥテルテ元大統領の地盤でもある)。
- 多民族都市(ビサヤ人、ムスリム系、ルソン系、華人などが混在)。
🙏 宗教
- キリスト教(カトリック)が約70~75%。
- ただし他エリアよりイスラム教徒(モロ族など)の割合が高め(約10%程度)。
- プロテスタント、イグレシア・ニ・クリストも見られる。
🎭 文化
- クダヤワン祭り(Kadayawan Festival)はダバオ最大のお祭りで、先住民族の文化・踊り・農産物の収穫祭として有名。
- 果物(ドリアン、マンゴー、バナナ)の産地としても有名。
🎯 ポイントまとめ
地域 | 宗教的特色 | 文化的特色 |
---|---|---|
マニラ | カトリック中心、スペイン植民地の名残が色濃い | フィエスタ、教会建築、モール文化 |
セブ | サント・ニーニョ信仰が特に強い | シヌログ祭り、海産物、ギター文化 |
ダバオ | カトリック主体+イスラム教が比較的多い | クダヤワン祭り、果物の産地、多民族共生の都市 |
日本からフィリピンを見ていると、キリスト教のイメージがあまりないのですが
現地に行くと教会の多さと、それにまつわるイベントが多いことに気が付きます。
ジプニーに乗っていて、突然目の前の乗客が祈りをささげることが良くありますが
そうした場合には教会の前を通るときです。
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